市民センターの小学生向けの講座で、
「枝光北のキャッチコピーをつくろう!」という企画を
準備していたのですが、流れてしまいました。
せっかくなので、ブログに残しておこうと思います。
前半は、「キャッチコピーってなに?」という話からはじめて
子どもにもウケそうな広告のキャッチコピーを紹介して、
(TOTOの「おしりだって、洗ってほしい。」とか)
まずは、コピーの楽しさや面白さを知ってもらう作戦でした。
2時間のワクで、初歩の初歩からのレクチャーなので、
「コピー+ビジュアル表現」まで考えるヒマはないと思い、
あらかじめ写真とポスターのデザインを用意しました。
写真が小さくなってわかりづらいですが、
まちの風景や地域の人たちの写真を並べています。
この空白部分にキャッチコピーを入れると、
ポスターができ上がるようになっています。
今回のお題は、「枝光北地区がもっと好きになる
キャッチコピーをつくってください」としました。
まちのよさや名所をアピールして、よその人を
呼び込もうとするような無理な話ではありません。
近ごろ「シビックプライド(Civic Pride)」といって
市民が”当事者意識”を持って自分たちのまちを
見つめなおそうとする動きがさかんなようですが、
考え方としてはむしろ、そちらに近いです。
ただ今回は “市民の誇り”といった大げさな話でなく、
自分たちが住んでいるまちをネタにして、
いろいろな言葉の表現で遊んでみようという企画です。
このまちのキャッチコピーをつくることで、
自分のまちに関心をもったり、考えるきっかけになる。
あわよくば、このまちがもっと好きになるかも…。
そんなささやかな期待もあったりしますが、
いっしょに楽しい時間を過ごすことが、第一です。
本気でコピーを考えると、その商品に愛着がわきます。
(今回は、商品広告ではありませんが)
このまちを好きになってもらうのを目標にすれば、
「このまちのキャッチコピーを考えてください。」と
呼びかけるのも、これはこれで一つのコピー案です。
キャッチコピーをつくるコツとして、
テキストには、次の8つの項目をあげました。
その1:なるべく短いことばで表現してみよう。
その2:わざと大げさにいって笑わせてみよう。
その3:具体的な人物や情景を想像させよう。
その4:いろんな人を演じて、セリフにしてみよう。
その5:問いかけたり、呼びかける文にしてみよう。
その6:正反対のことば・意外なことばを使ってみよう。
その7:同じことば・似ていることばを並べてみよう。
その8:「たとえ」やダジャレを考えてみよう。
先ほどの「おしりだって、洗ってほしい。」などは、
擬人化という「たとえ」の手法を使った有名なコピーです。
コツを伝えるだけでは、小学生には難しいと思ったので
「地域の行事が多いことをアピールしよう」といった
より具体的な切り口を並べたワークシートも用意しました。
「高齢化率が高いこと」も、このまちの特徴の一つで、
コピーを考える切り口になります。
ただし高齢化の問題は、ネガティブな話になりがちなので、
小学生があつかうには、ちょっと難しいかも知れません。
おじいちゃんやおばあちゃんに昔の話を聞くと、
まちの姿が大きく変わったことを教えられます。
たいてい「昔のにぎわい」をなつかしむ話ですが。
「ふるさと」、「地元」、「出身地」、「ホームタウン」など、
“生まれ育ったまち”を意味する言葉を入れて、
コピーをつくってみる方法もあります。
たとえば、農村や里山ではない現代の都市を
「故郷(ふるさと)」と呼ぶにはちょっと違和感がありますが、
郷土を愛する気持ちに変わりはありません。
野山をかけまわっていた頃の子どもと違って、
いまの子どもには、いまどきの思い出ができると思いますが、
人とのつながりや絆を強調すると、こんなコピーになります。
子どもの立場からの「気づき」のような切り口もあれば、
親(大人)の側から、子どもの未来を想うコピーも考えられます。
なんだか、車の広告のコピーみたいですね。
かつて「モノより思い出」という日産・セレナの
名作コピーもありました。
次回は引きつづき、ありものの写真を1つ選んで
コピーを考えてみるという課題(Part2)を紹介します。